FC2ブログ

25=10

カテゴリ  山姥切国広 1/2

6年目の今日。

「美和、少し話があるんだが、入っていいだろうか?」ある夜のことだった。俺は少し、ためらいがちにも主である美和の部屋の前で声をかける。柔らかい声色でかけられた「どうぞ」という言葉を聞き、一息吸って障子を開けた。美和は四角い箱(ぱそこんと言うらしい)を前に、何か書類を作っていた。難しい案件なのか、いつもニコニコしているはずの彼女の眉間にシワが寄っていた。美和は画面を見つめたまま言った。「どうしたの?」と...

  •  0
  •  -

審神者への忠義

新しい刀が来た・・・と本丸で大騒ぎになった。その刀は粟田口の一派で、鍛刀によって生まれた際には一期一振が静かに興奮していた・・・という話を、同じ堀川派の堀川国広から聞いた。その時俺は遠征に出ていたから、その刀とはまだ会っていないけど・・・。しかしこの本丸の初期刀ならば、一度会わなければならないだろう。初期刀として、その刀が本当に美和に忠義を尽くせるのか、確かめなければならないと思っているからだ。い...

  •  0
  •  -

では主、行ってくる。

修行に出る奴らを、初期刀として何度も見送った。一体彼らは、どんな思いを抱え修行に出て、戻ってきたのだろう?怖くはないのか?自分の過去と向き合うこと・・・。美和はそんな彼らを、静かに見送り静かに迎え入れた。陸奥守、蜂須賀、加州、歌仙・・・。馴染みの打刀たちが旅に出て、全員が戻ってきた瞬間、彼らの顔つきは違っていた。過去を受け入れ、未来と今の主である美和を見つめていた目だった。みんな、俺よりも一歩前に...

  •  0
  •  -

匂い立つ、好きな香り

「うわぁーん。ぐしょぬれだよ〜・・・」カラカラカラと本丸の玄関が開き、審神者の美和が入ってくる。万屋に用事があるからということで出かけた彼女だが、帰り際、突然の雨に見舞われたらしい。美和の帰りを待っていた近侍の国広は、脱衣所からバスタオルを持って来て美和に渡してやる。少々恨み言も付け加えて・・・。「だから折りたたみ傘でもいいから持って行けと言ったんだ。今の天気は変わりやすい。」「だって、ちょっとそ...

  •  0
  •  -

その目、気に入らないな

初期刀である俺と、主である美和が結ばれなかったのは、きっと俺のせいだとずっと前から確信していた。いつも「写しだから」という俺に、美和は笑って「そんなことないよ」と言ってくれていた。俺はその言葉を無視しつづけた。そのたびに美和は悲しそうな顔をした。俺に対して無条件に開かれた無償の愛を、俺はばっさり切り捨ててしまったのだ。それに気づいたのは、レア太刀の三日月宗近が来てからだった。うちの本丸は、そこまで...

  •  0
  •  -