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25=10

カテゴリ  アトラス 短編 1/1

スカーレットの空が言う

最近は不思議な夢を見ることが多かった。それなのに、あまり覚えていない。ただ覚えていることとすれば、会ったこともない男女と一緒に戦っている。妙にリアルなのが少し気になっているのだ。起きたあとは極度の疲労感が襲ってくる。その夢のせいか、最近はなんとなく寝た気がしない・・・。今日だって、顔色が優れないという理由から、部室を追い出されてしまった。「美和、今日は帰って休みなさい」と言う友人の顔は、いつもより...

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阻止せよジュネスバイト学生。それは俺たちのミッション。

夜のジュネス八十稲羽店。閉店間近ということもあって、2階の服売り場にはもうほとんど客はいなかった。バイトで服の整理をしていた陽介は、ふと顔を上げた。そばにはマネキンのコーディネートをし終えた恋人の美和がいる。今日はめずらしく、二人して同じ売り場のバイトだった。「もうすぐバイトも終わるな。明日は学校も休みだし、晩飯でも食って帰ろうぜ。その・・・たまには凪と、二人っきりでラブラブしてーしよ。」服をたた...

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まどろむキミにそそぐ

もしも最後に一緒にいたのが天田だったら……なんていうIfの話。さわさわと風に揺られる美和さんの髪。ついこの間まで風は冷たかったのに、今日はどこか暖かい。陽射しも柔らかくて、下手をすればこのまま眠ってしまいそう。美和さんの穏やかな声が聞こえてきて、僕は俯き加減だった顔を上げた。「もうすっかり春だね。」「そう・・・ですね。この前まで、冬だと思っていたのに。」そこでまた、柔らかい風が僕たちの間を吹き抜ける。...

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あの嘘をついたのは

真田は病室のドアを開けた。個室に差し込む陽の光は、春の色をしていた。窓際のベッドで、少女が一人、窓の外を見ていた。そのまま真田のほうを見ると、にっこり笑った。振り返った瞬間、黒髪がさらりと流れる。「そろそろ来るかなと思いました。ここから外を歩く真田先輩が見えたから・・・。」窓際に真田は立つ。確かにこの部屋の窓は、病院の大部分が見える位置だ。キラキラと笑顔を浮かべる彼女に、あの少年のことを言うのは辛...

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