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2017.06.19  #52 <<01:46




シンと静まり返った中、リリィは暗い廊下を歩いていた。
時間は真夜中。彼女は目的の部屋まで来ると足を止める。部屋からは光が漏れていた。リリィは小さく深呼吸をし、軽くドアを叩く。

「ライ?」

部屋の主の名前を呼ぶと、すぐにドアが開いた。続いて、アイスブルーの瞳を持った少年が、驚きに満ちた表情でリリィを見つめる。

「どうしたの?こんな夜中に。とりあえずどうぞ。」

彼が部屋の中を指さしたので、リリィはライの部屋に入る。机の上は資料で散らかっており、パソコンの画面にはいくつもの数字が流れていた。

「ごめんなさい。お仕事中だったわよね。でも、どうしても気になったことがあって・・・。」

リリィはベッドに腰をおろした。近くにあったクッションを胸に抱いてから、考えるようにする。ライはイスをひっぱってきて、リリィのそばに座った。

「それで、気になったことって一体何?」

彼の言葉に視線をさまよわせたあと、小さく彼女が呟く。

「今日、不思議なものが見えたの。ゼロの格好をしたルルーシュ君が、シャーリーにギアスをかける映像が見えた。ねぇライ、これって何だと思う?」

リリィの言葉に、ライの表情がこわばる。「いつ?」と尋ねれば、彼女は詳しい時間を言った。その時間を聞いて、ライは目を大きく開いた。

「その時間は・・・」

ちょうどライが、ギアスのマークを見た時刻と重なる。
彼は険しい顔をして、その時間に起こった現象を彼女に話した。リリィも驚き、目を丸くさせる。

「それじゃあ、やっぱりライも何かを感じとったのね。」
「おそらく、誰かのギアスだ。でも一瞬の出来事だったから、ギアスかどうかは断言できないんだ。」

ライは目を伏せた。
断言できない理由は他にもある。リリィが見たもののこと。
彼女が見たものは、おそらくギアスとは関係のないもの。彼女の見たものは、過去の誰かの記憶。リリィにはそれらを見る力があるのだ。
人の過去の記憶を見る力は、代々アルビオンの王族が受け継ぐ力。彼女の祖母・モルガンや母であるクラエスだって使えた。人はそれを、妖精の力だというのだと、以前モルガンが教えてくれた。ライにだけ・・・。そしてその兆候がリリィにも現れ始めたら報告してほしいことも。そう、リリィは今、妖精の力が・・・咲きかけている。
そんなリリィが見たもの・・・もしそれが本当に過去の出来事だったとしたら、ルルーシュはゼロで、ギアスを持っていたことになる。

(僕にはルルーシュという人間が分からない。彼はなぜギアスを持ち、ゼロを演じていたんだ?そしてその記憶は今やなく、学生・ルルーシュとして生活している。もしかして、ルルーシュには昔の記憶がない・・・?・・・っ!そうか・・・!)

ライはくしゃりと自分の前髪を掴んだ。

(誰かがルルーシュの記憶を、ギアスで消した・・・と考えたら?それならロロが、昔のことを思い出さないようルルーシュを監視する理由も分かる。しかしなぜ、ブリタニアは反逆者であったルルーシュを生かした?)

ライは最大の疑問にぶつかった。リリィが心配そうに彼を覗きこむ。

「ライ?大丈夫?顔が真っ青よ。」

心配するリリィに、ライは真剣な表情を見せた。
もしかしたら、辿れるかもしれない。一年前のブラックリベリオンに隠された真実へと。リリィの力と、自分の力を使って。過去の記憶とギアスの力の残留を読み取って・・・。
もちろん、リスクも承知している。目の前のリリィを見て、ライは言った。

リリィ。僕は真実が知りたいんだ。そのために今から、ギアスを辿っていこうと思う。けどそれだけじゃ足りない。君には過去を読み取る力がある。それは代々、アルビオンの王族が受け継いできた力。ねぇリリィ。ブリタニアは、何かを隠している。もし君も真実が知りたいのなら、僕に協力してほしい。けど多分、真実を知ったとき、僕たちに訪れるのは果てしない絶望か後悔だと思う。君がそれで傷つきたくないというのなら、無理に協力してくれなくても・・・」
「待ってライ!私には、過去を見る力があるのっ!?それじゃあ、あの映像は・・・ルルーシュ君とシャーリーの・・・過去?そんな・・・どうしてルルーシュ君がゼロでギアスを・・・。」

リリィの肩は震えていた。瞳も揺れていて、ライは彼女へと手を伸ばす。肩に手を置くと、リリィは目を閉じて何か考えたあとにライを見た。

「ライ、どこまで私にできるか分からないけど、私も協力するわ。私だって、あの映像の真実が知りたい。」

リリィの瞳は、いつになく真剣だった。その瞳を見て、ライは心の中で静かに笑う。
彼が本当にギアスを持っていたとしたら、ルルーシュはギアスについて何か知っているかもしれない。ロロだけの情報では、自分のギアスについて知るのに不完全だった。
ギアスについて分かっていることは、ギアス嚮団があること。そしてそれに、ライ自身は所属していないこと。
ギアス嚮団は、ギアスの能力者を生み出し、研究している謎の組織。ロロはそこの出身者であるがゆえに、ギアス能力を有している。
ならば自分は?どこでこの能力を手に入れた?ルルーシュは、その答えを知っているだろうか?

「とにかく最初は、イケブクロに行ってみようと思う。あそこはゲットーとエリア11の境界線。何か分かるかもしれない。」
「わかったわ。それじゃ明日の学校は・・・お休み、ね。」

軽くリリィがウィンクする。
学校サボるなんて初めてと、少し浮き足だっているリリィを見て、ライは苦笑した。さっきまで深刻そうな顔をしていたのに、彼女の顔には笑顔が戻った。明日は大変なことになるかもしれない。
ライはぼうっと考えて、ベッドに座るリリィを引っ張り上げた。

「じゃ、そういうことで、今日はもう寝ようかリリィ。」
「うん、おやすみなさい。ライ。」

ドアの隙間へ体を滑り込ませて、リリィは小さく手を振った。
彼女が部屋を出るのを確認してから、ライは部屋の照明を落とす。部屋は開かれたままのパソコン画面の明かりに包まれた。ライはすぐにベッドへもぐりこむ。今はただ、ゆっくり眠りたかった。


* * *


スザクは自分の執務室で携帯を開いていた。
今日はリリィとライの二人は、学校に来なかった。
午前中にメールを送れば、昼近くにリリィから返信があった。今日は用事があって、学校を休むことにしたと、短く書かれてある。それからというもの、リリィからの返事はなかった。
さっきから何度となく、携帯を開いては閉じている。早く返事が来ないかなと考えてた瞬間、手の中の携帯が震える。

(来たっ!)

顔がほころんで、ドキドキ胸が高鳴る自分に苦笑する。
こんなにもリリィが好きなのかと思い知らされるほどの一瞬。はやる気持ちを抑えてメール画面を開くと、送信者はリリィではなかった。

(・・・シャーリー?)

文面には、話があるからイケブクロに来てほしいと書いてあるだけ。
ルルーシュについての相談かな?スザクはそう思う。今日は特に、執務室でやらなきゃいけない仕事は残っていない。何かあった時のためにここにいるのだ。
スザクはチラリと時計を見てから席を立った。
クローゼットにかけてある普段着に手を伸ばしてから、ふと考える。シャーリーと会ったあと、イケブクロでリリィへのプレゼントを買おうか。そんなことを思いながら、服を着替えるのだった。



* * *



スザクがイケブクロに着く頃、リリィとライは同じくイケブクロにいた。
朝からイケブクロでギアスの残留をたどっているが、これと言って有力な情報はなかった。リリィのほうも何か読み取れないか試しているが、何も見えてこなかった。第一、リリィは力についてまだよく分かっていない。そんなすぐに使えといわれても、できないのが当たり前。
ビルの屋上で、リリィは自分の先に広がるゲットーを見つめてため息をついた。その横で、ライもゲットーを見つめている。

「ねえリリィリリィの力ってね、妖精の力っていうらしいよ。モルガン様が教えてくれたんだ。彼女も昔、いろいろな力を持ってたんだって。」
「え・・・?」

横を向けば、ライの真剣な顔が目に飛び込んでくる。彼は前を向いたまま、話を続けた。

「妖精の力には、過去の記憶を読み取る力のほかに、たくさんの力が隠されてるんだって。例えば、人の怪我や病気を治す力。心を読み取る力。天気を変える力。アルビオンは昔から、女性を長としてきた。それは君の一族の中で、女性だけが妖精の力を受け継ぐらしいからなんだ。アルビオンの人は、その力を使える長を『神の子』と言ってあがめたらしい。神の子である長は人々の生活のため、妖精の力を使っていた。」
「神の・・・子?」
「うん。でもモルガン様の代になって、妖精の力を使うことはしなくなった。それはモルガン様が、神の子でなく、人間でありたいと思ったからなんだ。それからアルビオンは、妖精の力に頼らず、人の手で成り立ち始めた。でも妖精の力は受け継がれていく。モルガン様は僕に妖精の力の話をした時、とても辛そうな顔をしていた。そしてリリィには黙っててくれと、そう言ったんだ。知らないほうがいいこともあるからって。でももう限界だと思う。僕はずっと昔から君を見てきたけど、君は咲き始めているんだ。過去が見えてしまった君に、もう隠すことなんてできない・・・。」

ライの瞳がリリィへ向く。
ここには誰もいない。風すらなく、二人の間に静かな時間が流れた。「あとはモルガン様に聞いて欲しい」とライが呟き、リリィは頷く。
リリィにとって、正直信じられない話だった。

妖精の力。

今までそんなこと知らずに生きてきた自分。
一族の女性に受け継がれるということは、母であるクラエスも持っていた力。
そういえば子供の頃、クラエスが傷を治してくれたことがあった。その時彼女は言ったのだ。
もしこのような力が使えるようになったのなら、苦しんでいる人に使いなさい・・・と。最初は意味が分からなかったけど、今なら分かる。

(お母様・・・。)

あの時の、優しい母の顔が浮かぶ。
リリィがそっと目を閉じた瞬間、突然体が嫌な予感を感じとった。
虫の知らせ・・・というのだろうか?リリィはすぐに目を開いて振り返った。

「・・・っ!」

同時にライが息を飲んだ。そのまま驚いたように呆然と立ち尽くす。彼の額からうっすらと汗が浮かび止まらない。

「ライ・・・?」

心配そうにリリィはライに声をかけた。普段聞くことのない細い声で彼は言った。

「何か・・・誰かがロロのギアスを打ち消した・・・。」
「えっ・・・?それ、どういうことなのっ!?」

ライも信じられなかった。
先程ロロのギアスを感じとったはずなのに、彼のギアスはすぐに途絶えたのだ。例えるなら、シャボン玉が弾けるように、ロロのギアスが弾けた。

リリィ・・・学園に!ロロのギアスを弾いた奴は、アッシュフォード学園にいる!」

ライは急いで走り出す。
嫌な予感がまとわりついて離れない。リリィも必死になってライを追いかける。二人がビルの入り口にさしかかろうとした時、リリィの手首を誰かが掴んだ。

リリィっ!ライまで、そんなに急いでどこに行くの?」

そこには、サングラスをかけたスザク。彼の表情は柔らかかった。リリィもスザクとはゆっくり話したい。恋人同士なのだから。でも今は、そんな時間さえ許されない。

「スザク、ごめんね。今は少し急いでるの。帰ったらゆっくり話しましょう?それじゃあ。」

スッとスザクの手からリリィが離れていく。遠ざかっていく彼女の後ろ姿を見て、スザクは小さくため息をついた。

(本当に君は、忙しい人だな。一緒になれたと思ったら、すぐに僕の手を抜けてしまう。でも僕は絶対、君を手放さなくていい世界を作ってみせるから。リリィが穏やかに過ごせる世界をこの手で・・・。)

スザクは手のひらを握ってから、遠くに浮かぶ赤の髪を見るのだった。




初めに、神が天と地を創造した(創世記1の1)





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