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2017.09.16  IC#56 <<16:45





広いダイニングで、リリィとモルガンが向かい合う。
二人のほかに人はいない。メイドも執事もユーサーでさえ。カップに一度口をつけたモルガンは、どこか遠い目をして話し始めた。

リリィ、なぜこのアルビオンの長は我が一族、しかも女が務めると思う?」
「え・・・?」

突拍子な質問に、リリィは戸惑う。
答えても、よいものだろうか?ライが教えてくれた、神の子についての話を。
答えるのをためらっていると、モルガンがすこしはにかんだ。

「分からないだろうな。私やクラエスは、お前に真実を伝えてはいないのだから。リリィ、我が一族の女には昔から、妖精の力が宿るのだよ。初代アルビオンを治めていた我が一族のご先祖様は、半分妖精であり、半分人間だったのだ。まぁ妖精と言ってもおそらく、おとぎ話に出てくるような妖精ではなく、特殊な力を持った人間のことだとは思うがな。だがそのためか、この家に生まれた女の子には必ず、妖精の力・・・つまり特殊な力が宿る。その力が現れてくるのは、丁度リリィくらいの年からだ。」
「神の・・・子。」
「・・・リリィ、それをどこで?」

ジロリとモルガンの瞳が目の前の彼女を捕らえる。気迫があって、とっさにリリィは首をすくめた。
小さい声で「ライが・・・」と答えると、祖母は「アイツ・・・」と小さく呟く。そのままカップをソーサの上に置く。かちゃんと高い音が響いた。

「神の子の話を知っているのなら、そこまで詳しい説明はいらないな。とにかく、この国にとって昔から妖精の力はなくてはならないものだった。しかし私は、それを使わなくなったのだ。理由はいくつかある。一つは、私がみな平等の国を作りたかったからだ。それに加え、私自身が半分妖精ではなく、ただの普通の人間でありたかったから・・・。だから力を封印した。けれども最大の理由は・・・」

妖精の力を使用することで、保持者の寿命が削られていくからだ。

「えっ・・・?」

リリィは大きく目を見開く。モルガンは小さく笑って言った。

「代償さ、リリィ。力を使うには、代償を支払わなければならない。」

モルガンの言葉を聞いて、リリィの頭にライのことが浮かんだ。
ライだってギアスを使うとき、その代償に自分の記憶を犠牲にしている。何も、言えなかった。ギブアンドテイク。それが力を持つ者に対する掟。

「自然ではないだろう?生きるものとして、寿命を削り力を使うなど。力などなくてもよかったのだ。だが、運命からは逃れられない。私は力を保持してはいるが、使わなかった。だが、クラエスは力を使った。」
「お母様・・・が?」

静かに頷くモルガン。

「あの子は寿命を削ると知ってて、世のため人のために力を使い続けた。クラエスは優しい子だったからな。困っている人を放ってはおけなかったんだろう。その結果、クラエスは・・・」
「待っておばあ様っ!けど、お母様は病気で亡くなったんじゃ!」

リリィは目の前の祖母に向かって叫んだ。
確かに母は、病気だった。咳が止まらず、荒い呼吸。いつもいつも高い熱を出し、ベッドで横になっていた。苦しそうな顔。でもリリィやブリタニア皇帝を見ると、無理に笑う。たくさんの薬を飲み、それでも治らなかった。

「そうさ。病気でなくなった。妖精の力の代償・・・という病気でな。病気の源は妖精の力だ。あれは確実に、クラエスの体を蝕んでいた。もともと体の弱い子だったクラエスだ。その病気はすぐに進行したよ。」

絶句するリリィ。クラエスは、ただの病気で死んだのではないと・・・。
あの頃はまだ、リリィも幼かった。夢や希望に溢れていた時期だ。彼女にとって、母の死は悲しいものだった。けど、まだその重さを理解していなかった。父親や祖父母、ルルーシュたちがいるから悲しくないとさえ思っていた。
真実は隠されていたことも知らなかった。

「それが、お母様の死の真相・・・。そして、この家に生まれた一族のさだめ。」
「残酷なさだめだろう?だから私は、お前に力のことを話さなかった。知らないほうがよいことだと思っていたから。でも、お前は知ってしまった。血は争えないのかもしれない。本当にリリィは、クラエスにそっくりだよ。」

厳しい表情だったモルガンが、ふわりと笑った。
まるで諦めがついたような、肩の荷が下りて安心しているような顔。彼女は最後の紅茶を飲み干すと、静かに呟いた。

「真実を知って、これからお前がその力をどうするかは任せる。使う使わないは、リリィが決めろ。お前のさだめだ。私が口出しすることじゃない。」

ガタリとイスを動かす音がする。モルガンはそのままダイニングを出て行った。
一人取り残されるリリィ。自分の手元に視線を落とす。膝の上で握っていた拳が、小さく震えていた。

「震えてる・・・。そっか。私・・・」

怖いんだ。自分の力が。そして、自分の運命が。
私は、この力をどうするの?どうすればいいの?
お母様・・・・。



* * *



デヴァイサースーツを着たロロは、大きく目を見開き息を飲んでいた。彼に対峙する、一人の少年。輝くばかりの銀の髪。美しいほどまでに澄んだアイスブルーの瞳。見間違うはずがなかった。

「にい・・・さん?」

やっとの思いで言葉を口にする。目の前の兄は微笑んだ。いつもの柔らかい微笑みで、ロロは少しだけ安心できた。

「ロロ・・・。やっぱりお前は、黒の騎士団に協力していたか。」

全てを見透かしているような発言。心臓がバクバクしている。もっと責められるかと思っていた。裏切り者だといわれるかと思っていた。でも兄は、そんなこと言わなかった。

「どう、して・・・」

どうして分かったの?
どうして兄さんがここにいるの?
どうして僕を責めないの?
どうしてルルーシュを捕まえないの?
どうして姉さんも一緒じゃないの?

何から聞けばいいのか分からない。心の中が、頭の中が、自分の中がぐちゃぐちゃだった。

「なんとなく、そんな気がしたんだ。僕はカンがいいし、他の人のギアスも感じることができる。」
「僕を・・・責めないの?僕はブリタニアを裏切ったんだ・・・」

拳を握った。ライの目が細められる。けれどそれは、決してロロをとがめているようには見えなかった。まるで、自分をとがめているような瞳。
曖昧に笑って、ライは呟いた。

「確かに、ブリタニアに所属していながら、黒の騎士団に協力しているのはいただけない。けれど、それはおあいこだ。僕だってたった今、この場所にいる。今からギアス教団の殲滅に協力しようとしている。誰の意志でもなく、僕の意志でだ。真実を、知るために・・・。」

その言葉で、ロロはなんとなく分かった。自分の兄が、己の過去を探し始めたことに。
遠くで爆音がし、目の前の張りぼてが解体されていく。
ルルーシュの部屋が再現してある張りぼて。その中でV.V.と話すルルーシュ。今から教団を殲滅する。かつて自分の家だったところを、壊しにいく。ロロは心の中で呟いた。

(やっと・・・だ。長かった。ここは僕の家なんかじゃない。壊れたっていい、こんなとこ。僕にはちゃんと、帰る家があるんだ。)

「V.V.の居場所は特定できた。全軍、ポイントアルファ7を包囲!」

無線からC.C.の声が聞こえてくる。ライはフッと小さく口の端を上げた。そのままロロを見らずに言う。

「ロロ、もしもお前がこのまま黒の騎士団に残るのなら、戦場で会うときは敵だ。その時は僕が直々にお前を殺す。だから・・・ここで死ぬなよ。」
「兄さん・・・。」

銀の髪をもつ少年は、ロロに背中を向けてランスロット・クラブへと歩き出していた。そして彼の言葉に含まれる、ロロを心配する兄の気持ちに気付く。
ロロも遠ざかる背中に向かって叫んだ。

「兄さん!もし兄さんが敵になったら、僕が兄さんを殺す!だから兄さんも、こんなところで死なないでよっ!」

ライが軽く片手を上げ、そのままランスロット・クラブへと乗り込んでいく。
ロロは遥か先にそびえる教団の本拠地に視線を向けた。
今から人を殺しにあそこへ行く。あそこにはきっとまだ、兄弟たちがいるはずだ。ごめんねと心の中で謝った。でも、僕みたいに辛い思いをしながら生きるよりは、この手で眠らせてあげたほうが・・・。
ロロもヴィンセントに乗った。自分の手を見つめ、微笑む。

「やっぱり僕は、汚れているんだね。」

ナイトメアの中でそう呟いたのは一人じゃなかった。ライもまた、自分の手を見つめていた。

「僕はやっぱり、汚れている。約束、やぶっちゃうかな。リリィとの・・・。殲滅なんて許されない。人の命を奪うのは、まっぴらだ。だから僕は・・・教祖だけを殺そう。」

まっすぐ見つめる。教祖V.V.。
彼はライのギアスについて、ライ自身について、何か知っているだろうか?知っていればいいと願いながら、ライはランスロット・クラブを発進させるのだった。




これが僕の道………その先に おお 楽園がまつ
(ポル・ヴェルレーヌ)



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