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IC#59





ブリタニア皇帝から隠れるルルーシュと、その場に立ち尽くすライ。
ルルーシュはライの腕をひっぱり、皇帝から身を隠すよう言った。
目の前にいるブリタニア皇帝は、まるでそこにライがいることを知らないかのように、彼を見ない。
ルルーシュが八年前の真相を確かめようと、皇帝に質問した。だが皇帝は言った。「知りたいなら、ギアスで答えさせればいい」と。
ライは顔をしかめ、ルルーシュを見る。ブルーの瞳は、ルルーシュと同じことを思っていた。

(誘っている。ギアスを使わせようと・・・。しかし俺のギアスは、相手を見てかけるギアス。俺がアイツを見るということは、アイツも俺を見るということ。俺と同じ、相手を見てかけるギアスを持っているのだから、同時に俺も記憶を改変させられてしまう。でも・・・迷っている時間はない。)

先に動いたのはルルーシュだった。
ボタンを押すと、いくつもの鏡の破片が飛び散った。その破片に向かって、ルルーシュは命じる。

「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!キサマは死ねっ!」

赤い光が鏡の破片を反射しあい、まっすぐブリタニア皇帝の瞳に飛び込んでいく。
身を隠したまま、ライはそれを見ていた。蜃気楼の隙間からブリタニア皇帝を見ると、彼はゆっくり銃を取り出した。
胸に当てると、引き金を引く。パン—————と乾いた音が響いた。

リリィのお父さんが、こんなにも・・・あっさりと?)

皇帝の姿がドサリと倒れる頃、ライは息を飲んだ。
ルルーシュは信じられないというように、ゆらゆらと歩き出す。そのまま叫んだ。勝利の雄たけび。
ナナリーを、マリアンヌを裏切った父親を・・・倒した。ブリタニア皇帝へと歩き出す彼を見て、ライも静かにあとをついていった。軍服に、じわりと広がる赤い液体。じっとりと赤く濡れている。

「殺してしまった。こんなにも、あっさりと・・・。聞きたいことも、たくさんあった。詫びさせたい人もたくさんいた。なのにっ!」

隣で、ライはルルーシュの呟きを聞く。
リリィの運命を動かし、ルルーシュの運命を動かし、日本の運命までも動かした人物。神ではない。が、この世界において、神に等しい力を持つ存在。
ライが目を閉じた時、頭にズキンと痛みが走る。

(この感覚は・・・ギアスっ!!)

本能的にライは後ろに跳び下がり、ブリタニア皇帝から距離をとった。心臓が激しく音を立てる。鳥肌はたちっぱなしで、冷や汗さえ出てくる。ライの行動にルルーシュが驚いた時、皇帝の渋い声が上がった。

「ほう、誰に?こしゃくだな、ルルーシュ!」
「そんな!生きてる!?確かに心臓を・・・!ライ!お前に俺と同じギアスがあるのなら、お前も皇帝に命令しろ!『キサマは死ね!』と、俺と同じように!」

とっさにルルーシュは後ろに跳び下がったライを見る。しかし彼は何も答えず首を振った。
「なぜ!?」と尋ねたルルーシュに向かって、代わりに皇帝が答える。

「その男はワシには歯向かえんよ。皇帝直属の部隊、エンジェルズ・オブ・ロードの地位にあり、我が娘を大事と考える男。ワシはその男を救った慈愛の女神の父であり、神だ。エンジェルごときが神を討つことはできん。さあルルーシュよ。王道で来るがいい。王の力を継ぎたいのならば!」

ルルーシュは皇帝にもう一度ギアスをかけた。ギアスはかからない。今度は落ちていた銃で、何度も皇帝の体を撃ち抜いた。それでも死なない。

「ルルーシュ!無駄だっ!皇帝は多分、何をやっても死なない!」

皇帝を睨みつけ、ライが叫んだ。ニィ・・・と皇帝は笑った。

「ライの言うとおり、もはやワシには剣でも銃でも何をもってしても・・・無駄アアアアアアア!」

皇帝は右手の手袋を取り、二人に手のひらをつきつけた。そこに描かれたギアスのマークに、二人は愕然とする。

「なぜ皇帝がコードを・・・・!?」

不老不死である印。ギアス能力者たちはそれを、『コード』と呼ぶ。
一方、こと切れたV.V.の前にしゃがむC.C.は、一人でじっと考えていた。

(なぜ今になってV.V.のコードを、シャルルが奪った?)

理由は分からない。コードを奪うことで、シャルルは兄であるV.V.を殺したことになる。今まであれだけ慕っていたのに・・・。彼のその行動は、憎しみか?哀れみか?優しさか?絶望か?
C.C.は冷たく吹いた風を全身で受けながら、死んでしまった同胞に言葉を添える。

「V.V.、お前さ・・・マリアンヌのこと、好きだったんだろ?」

雫が一つ、水面(みなも)に落ちた。




* * *




アカシャに乗って、リリィはエリア11の政庁へと帰還する。
ナイトメアを置いておく格納庫には、ランスロット・クラブの姿はなかった。¥つまりまだ、ライは帰ってきていない・・・ということ。リリィは赤い瞳を細めた。

リリィ様、ナナリー総督がお呼びです。」

政庁に入ったとき、受付の人間がリリィにそう言う。何でも、今からサイタマゲットーの再開発についての報告会をするそうだ。そこにリリィも同席してほしいと。彼女は笑顔で頷いた。まだ子供だが、ナナリーは一生懸命総督を務めている。かつて総督を務めていたリリィは、その大変さをよく知っていた。だからなるべく、ナナリーの力になりたいと思っていた。母は違うが、実の妹でもあるから。

会議が行われる部屋に行こうと廊下に出た時、リリィは後ろから抱擁される。
枢木スザク。その人物の香りとぬくもりがした。

「きゃっ!・・・スザク、いきなりはナシにしてよ!誰かに見られたら・・・」
「大丈夫。ここには僕たちだけしかいないから。」

スザクの言うとおり、幸いにもその場所に人はいなかった。
リリィはスザクの腕を解き、彼の正面に立った。頬が赤くなっていて、少し腫れている。

「スザク、右の頬、どうしたの?まるで誰かに叩かれたみたい。」

首をかしげるリリィの前で、スザクは瞳を伏せた。彼女には言えない。カレンにリフレインを使おうとして叩かれたこと。自分が黙ってても、カレンが言うかもしれないけれど・・・。
黙ってしまったスザクを見て、リリィが覗き込んでくる。大きく赤い瞳が、スザクの翡翠の瞳を捉える。スザクはとっさにリリィの両腕を掴んで、壁に押し付けた。

「すざくっ!!!!」

可愛らしい声が上がる。気にせずに彼はリリィに問う。

「ねぇリリィ。もしもだけどさ、ルルーシュが生きてて、彼がゼロだったら、リリィはどうする?」
「・・・えっ?」

突拍子もないスザクからの質問に、リリィは大きく目を開かせる。
彼は顔をぐっと近づけて、質問の答えを待っている。スザクが言っているのは、もしもの話だ。
ゼロは頭がよくて、卑劣。でもカレンはそんなゼロを慕っている。
中華連邦で天子をさらった時、分かり合えると信じてるといった自分の言葉に、ゼロは言葉を返した。
『ありがとう、リリィ・ルゥ・ブリタニア』と。もしそれが、自分のよく知っているルルーシュだったら?

「ルルーシュが生きてて、彼がゼロだったら・・・わ、たしは・・・ゼロを信じる。ルルーシュなら、きっと分かり合えるはずだ――――――」

リリィが最後まで言い終わる前に、スザクはリリィの唇を奪う。まるで、その答えを否定してしまうかのような激しいキスだった・・・。




父親が子供のために殺されてはならない。
子供が父親のために殺されてはならない。
人が殺されるのは、自分の罪のためでなければならない。
(申命記24の16)



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★更新履歴★

18.08.17
刀剣乱舞 短編1つUP!(山姥切国広)
 




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