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17.09.16
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2017.09.16  IC#61 <<17:52






ブリタニア帝国ができる遥か前の世界・・・。ライはそんな時代に生を受けた。
父はとある一国の王。その国は、アストリア帝国といった。母は小さな島国出身の巫女であった。
ライの母は美人ではあったが、異国の出身であったため、他の皇妃たちの中では一番下の階にいた。だからライもつまり、皇位継承権は一番下で・・・。けれども母はそんなことを気にせず、いつも笑顔で優しかった。ライはそんな母が大好きだった。しかし、父は違う。
ライの父は、今のブリタニア皇帝とよく似ている。彼はいつも戦争を推し進め、領土を拡大していった。ライの異母兄弟たちもみんな、父についていく。ライだけが、いつも戦争に反対していた。
戦争を推し進めることで、民が苦しむ。愛する人と別れ、兵士たちのそばには常に死が待っている・・・。そんな生活を民にさせたくなかった。この国は戦争などしなくても、十分やっていける国力はあるのだ。ライは常にそう、父に訴えていた。
そしてあの日も、いつものようにライは父に謁見した。

『父さん、戦争なんてしなくても、アストリアは十分やっていけます!国とは民の生活からできているんです!民を大事にしない国など、滅ぶだけです。』

父はうんざりしたような顔をし、ライに軽蔑するような眼差しを送る。

『ライよ、どうしてお前だけがいつも私の方針に反対するのだ。戦争は民に、豊かな生活をもたらす。アストリアは戦争で領土を拡大し、ここまで豊かになったのだ。民が望むことは、これまで以上の豊かな生活。だから私は、もっと領土を拡大していかねばならんのだ。』
『それは今、戦争に勝ち続けているからこそ言えるのです!負ければどうですか?財を失い、民を失い、信頼を失う!そうなれば・・・全て終わりです。あなたは王ではなくなる。』

彼の言葉にアストリアの王は怒った。玉座から立ち上がり、ライに指をさして怒鳴る。

『お前は父である私を侮辱するか!私はどこにも負けぬ!ライ、やはりお前の教育は、あの女に任せるべきではなかった!あの女め!私の血を引いた子供に、王を侮辱する態度を教えたな!』

父が紡いだ言葉は、ライの母を非難する言葉。拳を震わせ聞いていたライは、立ち上がると父を睨み付けた。

『母さんを非難することは、僕が許さない!父さん、もしこのまま戦争を続けるというんなら、僕はあなたから国を奪います!あなたから国を奪い、今とは違う平和な国を・・・!』

ライの言葉を聞き、王は一瞬キョトンとする。しかし彼はすぐに大きく笑った。

「ふ・・ふはは・・・・ははははは!これはなんという傑作!皇位継承権が一番下の皇子が、私から国を奪うと?結構!しかしお前がどうあがこうが、お前が私に勝てると思うか?私や兄弟たちを殺し、この国を乗っ取るなど、夢のまた夢!』

父の言葉に唇をかみしめるライ。彼はそのまま父の笑い声を背に、謁見室を飛び出した。
悔しい。今の自分には、父の言うとおりだった。
己の力量のなさ。人脈も力もない自分は、母も民も国も守れやしないのだ。

『僕に・・・力があれば!』

アストリア全土が見える小高い丘で、ライは拳を握った。そこに銀髪の少女と、緑の瞳を持った少年が現れる。一人はライの妹・リズ。だが、もう一人は知らない人物だった。リズが言うに、この少年は彼女の友達らしい。

『お兄様!ご紹介します。こちら、私の友達のU.U.(ユーツー)よ!』



———

—————

「・・・そうだ。全てはU.U.。彼から始まった。ギアスという呪いの力は、彼からもらったんだ・・・。」

自分自身の記憶の映像を見ていたライは、一人で小さく呟いた。声の余韻が消えるころ、誰もいないはずのこの場所に、女性の声と靴音が響いた。

「そう。それがあなたのギアスのルーツ。出発点、罪の始まり。終演へ向けての・・・。」

彼の前に姿を現したのは、ルルーシュの共犯者、C.C.。しかし彼女はどうも、彼を今の場所に飛ばした人物とは違う感じがした。

「C.C.・・・。けど君は、僕をここに送ったC.C.とは違うC.C.だね。」

ピクンと彼女の眉が動いた。腕組みをして彼女は答える。

「えぇ。彼女と私は違う。彼女がどうしてあなたに記憶を取り戻せたがってたのか、私には分からない。けどもしかしたら、彼女は全ての記憶が戻ったあなたに、ルルーシュの味方になって欲しいと思っていたのかもしれない。だからあなたを、ここに送った。」

C.C.の言葉にライは瞳を伏せた。
アストリア帝国の王は、ブリタニア帝国の王に似ている。その父に歯向かおうとしていた昔の自分は、今のルルーシュによく似ていた。でも過去の自分とルルーシュが、よく似ていたとしても・・・。

「それは無理だ。リリィがブリタニアにいる限り、僕は・・・。それにまだ、僕は完全に記憶を取り戻したわけじゃない。」
「・・・そうね。では続きの記憶、あなたが望むのなら、見せましょう。」

C.C.はそう言って、光のかけらを差し出した。これはライの記憶のかけら。失っていた、自分の一部。そこ刻まれているのは、犯した罪と辛い記憶の数々。そして、ライの求めていた・・・真実。

「ライ・ルシフェル。ギアスを手に入れ、ギアスに翻弄された者よ。あなたが全てを取り戻したとしても・・・」


あ なたは ライ・ルシ フェ ル 。それ を忘れな いで。


目を細め、光に手を伸ばすライの瞳に、C.C.の笑った顔が焼き付いた。



* * *



リリィは今、モニターごしに兄であるシュナイゼルと向き合っていた。本国にいるシュナイゼルは、なぜか上機嫌だった。

リリィ、実はね、先ほど私たちの研究チームがフレイヤの実験を行ったんだが、成功したんだよ・・・!」
「・・・フレイヤ・・・・・ですって!?」

シュナイゼルの言葉にリリィは動揺した。
フレイヤにはサクラダイトが使われており、爆発すれば全てのものを完全に消し去ることのできる兵器。しかも使用時は、爆発やそれに伴う爆風など一切起こらず、使用後の放射能などの汚染も一切ない。生まれた力の空間が、目的のものだけを完全に消し去ることのできる兵器。まさに戦争では、理想の兵器・・・。

「これから戦争は変わるよ。君たちにももう、苦労させなくなると思うしね。」

にっこりシュナイゼルは微笑んだ。そんな彼にリリィは瞳を伏せた。
戦争が変わるより、この世界が変わって欲しかった。リリィやライ、そして母やナナリーが望む平和な世界。そんな世界は来ないのだろうか?

「お兄様、戦争のない平和な世界って、いつ訪れるんでしょうか・・・?」

彼女の深い意味を含んだ言葉に、シュナイゼルは瞳を伏せた。

「・・・あぁ、リリィ。私は君を悲しませてしまったね。フレイヤの実験成功に少し舞い上がってしまっていたようだ。もちろんフレイヤは、兵器として開発されても使わないようにするから。私だって、フレイヤを使うことは心が痛むからね。リリィ、この戦争が終われば、きっと平和な世界がくる。だからそれを信じて今は、一緒にこの悲しみを乗り越えていこう・・・。」

そう言うのなら、どうしてフレイヤなんか開発するの?

不意に生まれた言葉を、彼女はすぐに飲み込んだ。
シュナイゼルはこの1年間、フレイヤに力を入れていた。さっき浮かんだ言葉は、そんな彼を否定してしまう言葉。
シュナイゼルに気づかれないように、リリィはとっさに話題を変える。ふと脳裏に浮かんだ、自分の父へと。

「あの、突然だけどお兄様・・・。私なんだか、最近お父様が分からないの。昔優しかったお父様は、お母様が亡くなってからすっかり変わってしまった気がする。今のお父様はなんだか怖いわ。何を考えているのか全く分からない。この戦争だって、話し合いだけで解決する国がいくつもあるはず。それなのに進軍だなんて・・・。」

確かにブリタニアは、昔から常に戦争していた。けれども、母であるクラエスが生きていた頃は、今ほど戦争はなかった。話し合いで解決したことも多くある。エリア7だってそうだ。
アルビオンは話し合いでブリタニア傘下となり、エリア7と名前を変えた国。ブリタニア皇帝も、昔はリリィのそばで、もっと穏やかに笑うことのほうが多かった。

「きっと、お母様の死が、お父様を変えてしまったんだわ。」

シュナイゼルは彼女の言葉に口をつぐんだ。リリィの言うとおりかもしれない。
考えてみれば確かに、全てはクラエスの死から始まった。リリィがブリタニアを離れたことも、ルルーシュとナナリーが日本へ行ったことも。
無言の中、シュナイゼルの部屋にノック音が響き、部下のカノンが入ってきた。

「シュナイゼル様、リリィ様とお話のところ申し訳ありませんが、そろそろ会議のお時間です。」
「・・・あぁ。そうだったね。」

ちらりと時計を見ると、あと数分で始まりそうだった。宰相である自分がいなければ、会議が始められない。
シュナイゼルは優しく笑って、リリィに言った。

リリィ。確かにブリタニア皇帝は変わられたかもしれない。でも大丈夫。戦争が終わればきっと、皇帝は昔の皇帝に戻られるよ。だから今は信じよう。平和は必ず、訪れるとね・・・。」
「はい、お兄様・・・。」

リリィの返事を聞いて、シュナイゼルは満足げにうなずいた後通信を切る。
パソコンの画面がいつもの画面に戻ったとき、彼女は小さくつぶやいた。

「でもお兄様、信じるだけじゃダメなこともあるんですよ・・・。」



* * *



リズの友達であるU.U.としばらく一緒に過ごし、ライは彼と打ち解けていった。
U.U.はライと同じ年齢でありながらも、いろんなことを知っていた。まるで生きてる辞書みたいだった。そして世界のこともよく知っている。あの国の王はどうだとか、他の国の民はどんな生活をしているだとか・・・。
二人が仲良くなり、お互いを深く理解しあった頃、リズのいない場所でU.U.は言った。

『ねえライ。アストリア皇帝に対抗する力が欲しいなら、僕が君に力をあげよう。その代わり、君は僕の願いを叶えて欲しい。』
『U.Uの願い?その願いって何だ?』

ライの隣に座っていたU.U.が立ち上がる。少し前に出て、小高い丘からアストリアを見ながら言った。

『ライ、僕と一緒に生きて欲しい。僕は他人に望む力を与えることができるけど、人の道から外れてるんだ。僕は死ねない。年もとらない。だから僕は、この姿のままいつも一人だった。親しくなった人は、みんな時の流れに消えていったよ。友人の死をこの目で見るほど辛いことはない。だからライ、僕と一緒に生きてくれ。僕はどんなことがあっても、君から離れたりしないから。』
『・・・それはつまり、力の代償として僕にも不老不死になれということなのか?』
『そうだ。』

U.U.はライを振り返る。その眼差しは真剣だった。彼の綺麗な緑色の瞳は、悲しみに染まっていた。U.U.はどれだけ親しい人の死を見てきたのだろうか?
死ねなくなるとはつまり、母やリズの死を見ることになる。U.U.のようにたくさんの時代をこの足で歩いていくことになる。世界が終わろうとも、自分は終われない・・・。それでも、この国を平和にできる力がもらえるというのなら・・・。母やリズが、幸せに暮らせるというのなら・・・!

『U.U.、僕はこの世界を、僕たちが生き続ける価値のある世界にできるだろうか?』
『できるよ。きっと。だって君はこの世界を平和にしたいと思ってるでしょう?』

U.U.が優しく笑った。その笑顔を見て、ライも立ち上がり彼の隣に立つ。それがU.U.に対するライの答えだった。
U.U.はライの手を取ると、ゆっくり自分の胸元へ引き寄せる。そして小さく言った。

『これは王の力。この力はギアスという。これで君は、アストリア皇帝を倒せる。それだけじゃない。ライはこの力で世界を平和にできるんだ。だだし王の力は君を孤独にする。けど大丈夫だ。僕がずっと、君と一緒にいるから・・・。』

U.U.の言葉が消えた瞬間、ライには一瞬の痛みが訪れた。瞬間的に見えた青い世界も。その世界はすぐに消え、気づいたときにはU.U.の笑顔があった。
しばらくして、アストリア帝国にたくさんいたライの兄や弟たちが死んでいった。戦争で死んだ者もいれば、自ら命を絶った者もいたし、行方が分からなくなった者も何人かいた。
アストリア帝国の皇位継承者がライただ一人となったとき、皇帝は突然ライにその王位を譲った。そしてライの王位継承式が終わってから数日後、彼の父親は自殺した。それは偶然ではなく、ひそかに作られた事象。ライのギアスの能力は、絶対遵守の力。ライはその力を使って、兄弟や父までも葬り去った。すべては国を手に入れるため。誰もが幸せに生きる、平和な世界を作るために。
けれども・・・・。

平 和は 長く は続 かなか った 。




祖国もなく つかえるべき王もなく ひどく勇敢でもなかったから
私は戦争に出かけて死にたいと思った だが 死は私をのぞみはしなかった
(ポル・ヴェルレーヌ)



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