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2017.09.16  IC#62 <<18:01






ライが王位を継承してから3年。父や戦争に反対していた兄たちは、いなくなった。
ライの住む宮殿には、いつも花が咲き乱れ、蝶が舞い、明るい笑い声は絶えなかった。王位継承後に結婚し、エリーという娘を妻に持ったライは、大好きな母と妹のリズ、親友のU.U.と楽しく暮らした。
平和な時間の中で、新しい命にも恵まれた。ライの血を引く初めての子だった。ロイと名づけられた赤ん坊は、ライにそっくりな男の子だった。
ロイを腕に抱きながら、家族と友人と平和に暮らすことが、ライにとって何よりの幸せで・・・。アストリアの国民たちにも、この3年でずいぶん明るい笑顔が戻っていた。

(このままずっと、幸せが続けばいいのに・・・・。守りたい。この平和を・・・。)

そのためには・・・僕だけが汚いことをすればいい。ギアスを・・・・。
そう呟けば、いつでもU.U.が彼に寄り添った。

「ライ、僕たちは2人で1人だ。ライは僕と生きる。僕はライと生きる。そういう約束だ。ライが作る世界は、きっと僕たちが生き続けるのに価値のある世界になるよ。」

ふわりと笑ったU.U.の笑顔には、ライを安心させる効果があった。どんなに不安でも、この先、死が訪れないと分かっていても、U.U.となら大丈夫だ。不思議とそんな気がしていた。
大好きな母とリズの死に目にあっても、愛したエリーの最期に立ち会っても、年をとって死に逝くロイを看取っても、ライの命はずっと続いていく。ギアスを持った罰。人間を超えてしまった罰。その罰を背負ってでも、世界を平和にしたかった。願っていたはずだった。平和を・・・・。しかし、平和はついに破られてしまった。

隣の国の軍隊がアストリアに攻め入ったのは、夜明け前だった。
燃え上がる街。女性の悲鳴と、子供の泣く声、男たちの戦う声。何百と攻め入る敵兵に、アストリアは崩れていった。
ライとU.U.は前線に立ち、敵兵と戦った。体が血で汚れる。仲間たちが死んでいく。けれども、2人は死ななかった。
ライはそのとき、自分が不老不死であることを深く実感する。しかし、この足が動き続ける限り戦う。大切な人を守るため。民を、守るために・・・。
次第に仲間の兵士が減り始め、ライたちアストリア軍と国民たちは王宮に逃げていく。もう領土の半分以上は、隣の国の軍隊が占拠してしまっていた。体勢を立て直し、アストリアの国を奪還するため、ライは上から敵兵を睨んでいた。

(どうして平和に暮らそうとしないんだ!どうしてみんな、平和を奪っていくんだ!どうして人を殺してまで、領土を手に入れようとするんだ・・・・!国を豊かにするために、戦争をするというのか!これでは父と・・・・アストリア皇帝と同じではないか!)

ギリッと唇をかみ締め、拳を握る。怒りで拳が震えた。
心の奥底で闇が・・・憎しみがふつふつと沸いてくる。その瞬間、ちくりと片目がうずいた。頭がガンガンする。
遠くで敵兵の雄たけびが聞こえ、大地を駆ける馬のひずめの音が聞こえ始めた。こちらに向かってきている。何百という、いや、何千にもなった敵軍が・・・。

(この王宮は最後の砦!ここを奪われてしまっては・・・・!させるものか!アストリアは、僕たちアストリア国民が取り返すっ!あんな野蛮な人間どもに、アストリアを渡すものか!世界を・・・作らせるものか!!)

ライは静かに剣を抜く。胸の奥に湧き上がった憎しみが、次第に膨れ上がってくる。それと同時に、ドクドクと心臓が脈打ち、頭痛もひどくなる。うずいていた片目からは、焼けるような熱さと痛みを感じた。何かが・・・破裂しそうだった。

「ライ!敵軍が押し寄せてきた!ここを落とされては、アストリアはもう・・・っ!」

ライと同じように、鎧で体を覆ったU.U.がそばへとやってくる。剣を携えたライは、静かに振り返った。
その瞬間、U.U.はハッと息を呑む。何かを言いかけようとしたとき、ライは大きく叫んだ。

「みんな!王宮を守れ!!死ぬ気で戦え!!僕も死ぬ気で戦う!アストリアは・・・・僕たちアストリアの人間で守り抜くんだっ!!!」

ワッという声が上がるのと、U.U.の顔が真っ青になるのとが重なった。
彼の「ダメだライっ!」という声は、走り出した国民の声にかき消されていく。
ライの横を、国民たち全員が駆け抜けていった。年寄りも、子供も、女性も、男性も、みんな手に武器を持って・・・・。その異変に気づいたのは、戦闘力のない国民たちが敵兵とぶつかった瞬間だった。

「ど、どうして国民たちがみんな、戦いに行くん、だ?どうして女性や子供たちも戦いに行くんだ?僕は・・・・そんな風に言ったつもりはないんだ・・・・。それなのに、どうして!?」

呆然とするライの目の前で、弱者はみんな切り捨てられていく。それでも彼らは、戦うことをやめようとしなかった。
その光景を辛そうに見つめていたU.U.は、ライの目の前に自分の剣を差し出して言った。

「ライ。この剣で、自分の顔を見てごらん?」

U.U.に言われたとおり、ライは磨かれた剣に自分の顔を映した。
赤くなった片目に、はっきりとギアスのマークが映し出されている。消えることのないそれは、自分を主張しているようにも見えた。

「これは・・・・どういうっ・・・・!?僕はギアスを使った覚えは・・・・!」
「よく聞いて、ライ。これはギアスの暴走だ。さっき、片目に違和感を感じなかったかい?」
「そういえばさっき、急に頭が痛くなって、片目が熱くなった。痛みもあった・・・。ギアスの暴走って・・・・・」

片目を抑えるライから視線をはずし、U.U.が小さく言葉を紡ぐ。

「ギアスの力を抑えることができなかった人間は、ギアスを暴走へと導き、そのまま破滅へと向かってしまう。ライ、君のギアスも暴走してしまったんだ。君はさっき、ギアスを暴走させたままこう言った。『みんな、王宮を守れ。死ぬ気で戦え』と。君のギアスは、聴覚を介しての絶対遵守のギアス。つまり、君の言葉を聞いた彼らは・・・・」

U.U.の言葉を聞きながら、ライは大きく目を開く。向こう側から、彼のよく知る人物が3人駆けてきた。
長い髪をなびかせ、険しい顔でかけるその女性たちの手には、不釣合いなほどの武器が握られている。妖しく光るその武器から、ライは目を離せなかった。彼とU.U.の横を、彼女たちが何も言わずに駆け抜けていく。
時間が・・・・止まったようだった。
はらりと一筋、ライの瞳から涙が零れ落ちる。その瞬間、ライは瞬時に振り返り、3人の背中に向かって叫んだ。

「・・・・母さんっ!!リズっ!!エリーっ!!!行くなっ!!!そっちに行っちゃだめだ!!!行くなーーーー!!!行っちゃだめだーーーーーー!!」

とっさに走り出す。しかしU.U.がライにしがみつき、行かせまいとする。

「離せU.U.!このままじゃ、母さんたちがっっっ!!」

「行っちゃダメだライ!!君が捕まったら、アストリアは終わりなんだっ!!君は死なない体だ!!それゆえに敵国は君を、実験台に使うだろう!!それだけはダメだ!!!」
「僕が捕まらなくてももう、アストリアは終わりだ!!終わりなんだっ!!みんな!行かないでくれっ!もう、十分だろっ!?ギアス・・・!お前は僕から、全てを奪ったんだ!もう、満足だろっ!」

ライは必死に抵抗した。U.U.の拘束を解いた瞬間、視界の先のほうで最愛の人物たちが赤く散る。
街は焼け、土煙が舞う広い荒野で倒れる女性たち。その中で、妹のリズがライをほうを向き、小さく口を動かした。

『おにい、さ、ま・・・・・』

声は聞こえなかった。
崩れ落ちる肢体。ライは目を離せなかった。いとしい人たちの死から・・・・。
音が聞こえなくなり、頭の中は真っ白だった。

「あ・・あ・・・あっ・・・・うわあああアアアアアアアアーーーーーーーっ!!!」

状況を理解した時ライは、獣のように大きく叫んだ。その咆哮は、国民たちの散っていく命の音にかき消されていった。
どこで間違ったのか、分からなかった。この世に生まれてしまった時点で、間違っていたのかもしれない。
ギアスは人を、孤独にする。
今ならその言葉がよく分かる。
力の抜けたその体に、暖かいものが触れる。
ゆっくり顔を向けたその先に、耳の聞こえない老人がいた。彼はにっこり笑って、腕に抱えていた赤ん坊をライに差し出した。小さくぐずっているその子は、ライにそっくりなロイ。

「ライ、今は逃げるんだ!エリーたちが残したその子は、君にしか守れない・・・。だから・・・・っ!」

ライは老人からロイを受け取ると、そっと額にキスをした。ぐずっていたロイが表情を変え、ライににっこり笑ってみせる。

「ライっ!!!時間がないっ!!!」

顔を上げると、敵軍がすぐそこまで来ていた。
アストリアはもう終わった・・・。だが、アストリアの血は・・・自分の血はまだ続いている。ロイが生きている限り・・・。
どこかで間違ったかもしれない。人を超えた力を手に入れた罰かもしれない。けれども、この腕の中で笑うわが子だけは守りたい。守ってみせたい・・・・!
ライは馬に飛び乗ると、アストリアの外へと駆け出した。人間でなくとも、人間の親でありたいと思いながら・・・・。

・・・・これが自分の記憶。忘れていた・・・・・罪の記憶。







すべては沈んでしまう。私だけが残る。
(ホルツ)




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