FC2ブログ

25=10

駄文だらけのサイト

スポンサーサイト

Posted by 桂樹 on  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

桂樹

Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua. Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation.

かざぐるま

Posted by 桂樹 on   0 



とある本丸で、若い審神者が病気で亡くなった。
審神者は残された刀剣男士たちが、次の審神者が決まるまで今の姿が保てるようにと、庭の大木に己の力を残していた。
刀剣男士たちは、その力を少しずつ使いながら姿を保つ。
審神者がいなくなったこの本丸は、喪に入った。皆、ふとした瞬間審神者を思い出し、涙を浮かべたり、鼻をすすったり。
新しい審神者なんていらない・・・とさえ思っていた。
そんな日が1ヶ月ほど続いた頃・・・。
突然三日月宗近を筆頭とする三条派の者たちが、小さな赤子を連れて帰って来た。
赤子はどこか懐かしい匂いがした。ついこの間まで、ここにいたような人物と雰囲気がそっくりで、その人物の名前を口にしてしまいそうになる。

「この子は一体どうしたんだ?」

長曽祢虎鉄が三日月宗近に尋ねると、彼はにっこり笑って答えた。

「我らの新しい主よ」

宗近の言葉に、他の三条の面々も頷いた。
小さな赤子はケタケタと笑いながら、長曽祢に向かって手を伸ばしていた。まるで、再会を喜んでいるように・・・。
その日から、小さな赤子は前の主を失ったこの本丸を引き継ぐことになった。

赤子は刀剣男士たちに愛された。
あまり泣くこともなく、人見知りすることもなく、みんなに懐いた。特に、近侍である三日月にはひときわよく懐いた。前の主とどこか似ている・・・と、みんなそう思っていたが、口には出さなかった。
寒かった冬が過ぎ、春が来て、初夏の頃を迎えた。
宗近は赤子を抱きながら、加州が持って来たかざぐるまに息を吹きかけ回す。大きなかざぐるまが回るたび、赤子は喜んで声を上げた。そして三日月は小さく歌ってやる。

「・・・なぁ、美和よ。俺を愛してくれたこと、覚えてはおらんだろうなぁ。しかしだ。お前はまた、こうして再び生まれてきてくれた。美和が俺に会いたい一心で、再び生まれ変わってくれたと、そう思ってもよいか?」

優しく話しかけると、赤子は声を出さず、ただにこっと笑った。その表情が前の審神者そのもので、宗近はキュッと胸が苦しくなる。
ただただ前の審神者に会いたい一心で、宗近は彼女の魂を探した。再び人間に生まれ変わってくることを信じて。探して探して、やっと彼女の魂を見つけた。

「俺はずっとずっと美和そばにいてやろう。今度はこの手を離さんぞ。だから早く、大きくなっておくれ。」

いつの間にか眠ってしまった赤子を抱いたままゆっくり揺らし、宗近はまた小さく歌いだす。
緩やかな風に吹かれ、かざぐるまが回り始める。宗近と赤子の関係も、ゆっくりと回り始めていた。


スポンサーサイト

桂樹

Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua. Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation.

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。