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桂樹

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では主、行ってくる。

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修行に出る奴らを、初期刀として何度も見送った。
一体彼らは、どんな思いを抱え修行に出て、戻ってきたのだろう?怖くはないのか?自分の過去と向き合うこと・・・。
美和はそんな彼らを、静かに見送り静かに迎え入れた。
陸奥守、蜂須賀、加州、歌仙・・・。
馴染みの打刀たちが旅に出て、全員が戻ってきた瞬間、彼らの顔つきは違っていた。
過去を受け入れ、未来と今の主である美和を見つめていた目だった。
みんな、俺よりも一歩前に進んでいた。
初期刀だった俺よりも、一歩前に・・・。

強くなりたいと思った。

これまで写しだと卑屈で生きてきた。
山姥切の写しとして生まれてきたことに対して、罪悪感があった。
それをかき消すように、自分は国広の第1の傑作であると、言い聞かせてきた。まじないのように・・・。

これで、いいのか?

心の中に宿るもう一人の自分が、問いかける。
他の奴らは前に進む。強くなるために。美和を信じて。
兄弟である堀川国広だって。きっといずれは、山伏国広だって・・・。

自室の真ん中であぐらをかいて目を閉じていた俺は、静かに目を開けた。
誰にも劣らないくらい、神経が研ぎ澄まされている。今なら・・・。
夕闇が迫る時間帯、俺は美和の部屋へ向かった。

美和。あんたの初期刀として、一つ頼みたいことがある。」

俺を見つめた彼女のその目は、もうすでに俺の願いを見透かしているような目だった。



では主、行ってくる。



そう短く告げて、俺はこの本丸をあとにした。

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