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My teacher!



私は今年、城聖大学で4年生を迎えた。ゼミは変わらず竹内ゼミ。依子ちゃんと一緒で、他に同じ学年のゼミ生はいないのはおろか、後輩すらいない。他の先生に竹内ゼミだと言うと、少し煙たがられる。竹内先生って、そんなに嫌われてるのかなって、ちょっと不思議に思う。依子ちゃんは、竹内先生にぞっこんなんだけど・・・。

美和ちゃん、竹内先生のとこ行こ!無事に進級しましたーって、報告しなきゃ!」

浮き足だっている依子ちゃんに苦笑しながら、私は一緒に研究室に向かった。

「せんせぇ~、安野と美和ですぅ~!」

猫なで声で依子ちゃんが言った。中でゆらりと影が動いて、ドアが開く。依子ちゃんがすかさず部屋に入った。まだ「入っていい」とは言われてないのにな・・・。
竹内先生のため息が聞こえて、私は先生を見た。ちょこちょこと手招きしていたので、私も依子ちゃんに続いて部屋に入った。
乱雑に積まれた本の山。古い資料とかもあって、少し埃臭い。
「せんせえー、掃除しましょうよ。」なんて、依子ちゃんの声がした。
依子ちゃん、本題を忘れてる・・・なんて思ったら、背を向けていた先生が振り返った。

「安野、すまないが学生課に行って、届いた資料を取ってきてくれないか?」
「えー!?私がですかぁ~!?」

ムスッと依子ちゃんは拗ねる。
「じゃあ私が・・・」そう言いかけるのと同時に、先生が口を開いた。

「頼りにしているんだ、安野。」

それは魔法の言葉。いつもこの言葉で依子ちゃんの機嫌が直る。
ブツブツ文句を言いつつも、彼女は部屋を出ていった。ここから学生課までは少し遠い。しばらくは帰ってこないな・・・。

「やっとうるさいのがどこかへ行ったな。おいで、美和。」

先生は依子ちゃんが部屋を出たことを確認してから腕を引く。そのまま先生の胸へおさまった。何度も髪を撫でられる行為が心地よい。

「先生、私と依子ちゃん、無事に進級できましたよ。」
「それは少し残念だな。美和とはもう少し長くいたいのだが・・・。」

平気でそう言う先生の胸を、私は軽く叩いた。先生は軽く笑って「すまない」と謝る。
私と先生がこんな関係になったのは、依子ちゃんが先生に惚れる前からだった。依子ちゃんはこの事実を一切知らない。

「先生、知ってます?依子ちゃん、先生にぞっこんですよ?」
「それを知っていながら、安野に私との関係を言わない美和も、相当な大物だな。」

先生が抱きしめる力を強めた。
「どんなことがあっても、私を離さないつもりのくせに」と呟くと、先生は何も言わず私の肩に顔をうずめた。
依子ちゃんには悪いけど、私も竹内先生が大好きだ。ずっとずっと、一緒にいたい。
私は先生の背中に手を回して、静かに目を閉じた。なんて幸せな時間なんだろう・・・。このまま時間が止まってしまえばいいのにな。

「先生、大好き。」
「こういう時は、『愛してる』って言って欲しいのだが・・・。」

先生は私に、優しいキスをくれるのだった。


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