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IC #04


ライがバベルタワーに着くと、戦うブリタニア軍と黒の騎士団のナイトメアが視界に入る。
彼はとっさに叫んだ。

「やめろぉぉぉぉーっ!!!殺しあうなっ!!!」

操縦桿についているボタンを押すと、ランスロット・クラブからハーケンが放たれる。
ハーケンはどちらのナイトメアの武器を破壊した。
そのまますかさずランスロット・クラブは剣をふるった。
機械が切り裂かれる音がして、二つのナイトメアは同時にバランスを失って倒れる。
そこには両ナイトメアの手足が転がっていた。
パイロット達は緊急脱出し、無事なようだ。
ランスロット・クラブの背中にあった天使の翼はいつのまにか収納されている。
ランスロット・クラブに続いて、アカシャもタワーの中に入ってきた。

「ひどい。バベルタワーが無茶苦茶だわ………。
ライ、もしも民間人を見つけたら、人種を問わずすぐに救出してあげて。」
「分かったリリィ。」

ライは彼女に返事をしつつ、モニターに目を向けた。
物資搬入口。
敵がもの凄いスピードでLOSTしていた。
そしてそこからかすかにだけど、ギアスの反応がある。もちろんロロの。

リリィ、僕は物資搬入口に向かう。
そこにロロがいるような気がするんだ………。」
「分かった。私は別のフロアを回って、生き残っている人を助けるわ。
ライ、どうか………死なないで。」

リリィは静かにそう言って、ランスロット・クラブから離れ、逆の方向へと走る。
彼はそんなアカシャを見つめながら小さく笑った。
「エンジェルズ・オブ・ロードの一員に、その心配はないんじゃないか?」と、そう呟いて。

ライがレバーを引くと、ランスロット・クラブは一気に加速した。
もともとはランスロットのデータをもとに作られた強化試作機。
彼が乗るようになってから、まだ日は浅い。
ライがこのナイトメアで実践に出たのもまだ数えるくらい。
シンクロ率は常に90%以上をキープしなければならない。
正直、このナイトメアで満足のいく動きができるか不安だった。
だけどランスロット・クラブはライをデヴァイサーとして受け入れてくれたようだ。
シュミレーション以上に動いてくれている。

「もうすぐ物資搬入口だ。ロロ………。」

前を向くと光が差し込んでいた。
そしてそこから立ち上がる煙に、ライは顔をしかめた。
時々すさまじい爆発音と閃光が走る。
まさか………そう思う彼に、あってはならない光景が飛び込んできた。

無残に散った敵のナイトメア。

弾丸を受けてボロボロになったコンクリートの壁。

今にも崩れてしまいそうだった。

その中に、金色に輝くナイトメアが浮かび上がった。
ランスロットに良く似ている。ランスロット・クラブにもよく似ている。

「スザク…………?」

ライはすぐにその名前を口にした。
エンジェルズ・オブ・ロードがエリア11に来る前に、ブリタニア本国で出会った少年の。
だけど動きが違う。少し前の戦いで見た彼の動きとは違う。
ナイトメアはランスロットそっくりでも、デヴァイサーは違うようだ。
ライはそのナイトメアを追いかける。
その瞬間、彼の頭に小さく痛みが走った。

(これは………ギアスの共鳴?それに僕はこのギアスをよく知っている。)

懐かしい響き。
彼の………最愛の弟のギアス。
だけど彼のギアスは使ってはならないものだった。
ロロのギアスは使えば使うほど、己の心臓に負担をかけるもの。
最悪、自分の命を失う危険もある。
だからライはロロと過ごしていたときは彼にギアスの使用を禁止していた。
死んでほしくなかったから。ロロには生きてほしかったから。

「ロ、ロ…………。」

彼は右手を必死に伸ばす。
けれども弟はとても遠くて、そして時間が止まり、黄金のギアスは煙の中に消え去った。


(今、ライ兄さんの声がした………?)

ロロはナイトメアに乗ったまま後ろを見る。背後は煙が立ち込めていて何も見えない。
そうだ。ありえるわけがない。ここに自分の兄がいるなど。
だってライとリリィは人を殺すことを極端に嫌うから。
もしもカラレスが彼らに出撃要請を出しても、きっと二人はその要請を拒むだろう。
エンジェルズ・オブ・ロードはそれが許される。

ロロは容赦なく壁をぶち破った。
ランスロットのデータを基にして作られたヴィンセント。
ロロはこれに乗ったとき、少し嬉しかった。
ランスロットによく似たこの機体が、ほんの少し前、ライが乗せてくれたランスロット・クラブに似ていたから。
ヴィンセントに乗ったとき、「ライ兄さんとおそろい」という言葉が頭を駆け巡り、彼の心を振るわせた。
それくらいロロは、ライを慕っていた。

だから黒の騎士団を潰す。

これ以上、エリア11を乱すものを作らない。
これ以上、エリア11を壊すわけにはいかない。
リリィとライが復旧させたこの土地を。二人に負担をかけたくないから。

ロロは目の前に現れた紅蓮弐式と卜部の機体をすり抜ける。
もちろんギアスを使って。
キュッと心臓が締め付けられる感覚に襲われるが、彼は我慢した。
目の前にいる彼を、ゼロを倒せば全て終わる。

「消えた!?ホントにっ!?」
「神速………っ!?」

(ありえない………。物理的なものではない。何か別の……)

ルルーシュの額から冷や汗が流れた。
目の前にいるナイトメアは持っていた剣を合体させる。そのまま数回振り回した。

(やばい!!!やられるっ!!!)

ルルーシュは大きく目を開いた。

「ごめんね、ライ兄さん、リリィ姉さん。僕はこれから人を殺すよ。
僕はいつまでも兄さんと姉さんとの約束を守れないんだね………。
だけどこれが僕の決めた道だから。」

だから………死んでよ、ルルーシュ兄さん。いや、ゼロ。

ヴィンセントは剣を振り上げ、ゼロのナイトメアへと振り下ろした。
「チェックメイト。」と、ルルーシュがチェスで言っていたあの言葉を口にして。
これで全て終わる………。

でも、終わらなかった。
ゼロの代わりに卜部がヴィンセントの餌食となる。
卜部はルルーシュのナイトメアを弾き飛ばし、自らの剣でヴィンセントの攻撃を止めていた。
それでも力の差は歴然で。

ヴィンセントの剣がじわじわと卜部のナイトメアに食い込んでいく。
卜部はその瞬間、死を覚悟する。
「切り捨てるだけでは……」という言葉に偽りはないと信じ、卜部はカレンに言った。
ゼロを守れと。彼女はすがすがしいまでの返事をした。
大丈夫。彼女だったらきっとゼロを守ってくれるはずだ。
ニヤリと笑って彼は剣を反転させる。

「ゼロよ。日本の民を、拾ってやってほしい!!!」

卜部のナイトメアの腹部に剣が刺され、そのままヴィンセントの肩にまで貫通する。
ロロはすぐにギアスを使った。
まさか自分の命を犠牲にしてまでゼロを救おうとするなんて………。
もう少し遅ければ、自分も死んでいた。
はぁはぁと荒い呼吸を整え、ロロはゼロのナイトメアを鋭く睨んだ。
その前に赤いナイトメアが立ちふさがる。

「そんなにゼロが大切なの………?」

そうロロが思ったときだった。
タワー全体が揺れ始め、ゼロのナイトメアと紅蓮弐式のいる場所だけが崩れ始める。
コトリとコンクリートの小さい破片がヴィンセントの肩に落ちる。
彼は舌打ちするとすぐにその場から脱出した。ここで死ぬわけにはいかない。
ゼロを…………ルルーシュを追いかける!!!
その思いだけで彼は外に飛び出す。
後ろからライが追いかけてきていたとも知らずに。

(くそっ。ゆれが激しくてロロを見失った。それにタワーが崩れてるだって!?これもゼロの作戦なのか?
それにしてもこのままタワーが崩れたら…。)

ライはひとまず収納されていた翼を再び装備して外に飛び出した。
崩れるタワーの先にあるもの。
それは――――――――。

「あれは………カラレス総督が待機しているところ………?
や、やめろ。このままいけば総督が―――――!!!」

バベルタワーの上はすでに崩壊していて、たくさんのブリタニア軍が地面に落ち、コンクリートに埋まった。
その被害は甚大。
そして作戦の指揮をとっていたカラレス総督は、倒れてきたバベルタワーの下敷きになる。
激しい閃光と爆発音が、タワーから脱出して空を飛ぶランスロット・クラブとアカシャに届いた。

リリィは大地の悲惨な状況に目をつぶり、静かに言う。

「私達は………守りきれなかったのね。」

その日、ありえないくらいの人の命が、このエリア11の大地に落ちた。



悲劇の誕生。

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