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寒い夜の過ごし方



「・・・この状況は、一体何が起こったのでしょう?」

寒い夜のことであった。今からまさに深い眠りへと落ちようとしている美和の意識を、現実へと引き上げた人物がいた。青色の狩衣に、三日月のうちのけが入った瞳の男。その男は美和の布団にもぐりこんでくるやいなや、彼女をぎゅっと抱きしめる。布団を持ち上げられ一瞬冷めた体は、彼の体温のおかげで再びぬくもり始めた。
彼女の小さな呟きにも答えない彼に、少しむっとする美和。おかげで眠り損ねたのだ。顔を上げ、キッと相手をにらんでやると、男はゆったりと優しいまなざしをしていた。

「で、この状況は一体どういうことなのですか?三日月宗近。」

そう問えば、彼は少しだけさらに目を細めた。沈黙を以ってこの状況をはぐらかそうとしているように見える。彼女はさらに彼を問い詰めようとしたが、それは宗近の言葉に静止された。

「あまりにも寒い夜なのでな、暖を取りに来たのだ。この寒さは、じじいの体にはこたえるのでな。」
「それだったら、小狐丸の布団か石切丸の布団にもぐりこめばいいでしょう。」
「なぜ男が男の布団なんかにもぐりこまねばならんのだ?むさくるしいものよ。」
「じゃあ居間のこたつにもぐりこめばいい。」
「以前俺がそれをやって、風邪をひくからやめろと怒ったかわいい主は、どこのどなたさんだ?」
「・・・・・・・。」

ああ言えば、こう言う。そういう男なのだ、三日月宗近とは。言葉や理屈でかなわないのは、相手が神様であり、自分よりも長く生きてることも関係しているのだろう。言葉を返せなくなった美和を見て、宗近は勝利したごほうびのようにさらにぎゅっと彼女を強く抱きしめた。
「あぁ、やはり美和は暖かい」と、のんきに言うものだから、美和はため息をついてそのまま自分の身を宗近にゆだねる。なによりも、美和自身も宗近の熱で体が温まってしまい、眠くなってきてしまったのだ。意識が遠のく寸前、宗近が何か言ったような気がするが、彼女はそのまま気にも留めず眠りへといざなわれる。
何も言わず、規則正しい寝息を立て始めた美和に、宗近は小さく尋ねた。

「・・・ふむ。寝てしまったか?さきほどの俺の言葉は、美和に届いたとは思えんな。こうも男の腕の中で無防備に寝顔をさらすとは・・・。俺じゃなかったら、襲われてしまっていたぞ、美和。まぁ、俺も夜這いに来た・・・とは口が裂けても言えんけどな。しかしこうも夜這いする相手があっさり寝てしまっては、その気も失せた。仕方ない、俺も寝るとするか。」

宗近はチュッと彼女のおでこに唇を落とす。

美和、俺以外をこの布団の中へ誘い込むでないぞ?ここは俺の居場所ぞ。」

それだけ言うと、宗近の意識も甘く暖かな場所へと沈んでいく。再び目を開けるときにはもう、白く美しい朝が来ているだろうと思いながら・・・・。




寒い夜の過ごし方






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