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17.12.14
刀剣乱舞 短編1つUP!(三日月)
 




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2036.09.14  ★ Link ★ <<03:31



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2017.12.15  かざぐるま <<01:43




とある本丸で、若い審神者が病気で亡くなった。
審神者は残された刀剣男士たちが、次の審神者が決まるまで今の姿が保てるようにと、庭の大木に己の力を残していた。
刀剣男士たちは、その力を少しずつ使いながら姿を保つ。
審神者がいなくなったこの本丸は、喪に入った。皆、ふとした瞬間審神者を思い出し、涙を浮かべたり、鼻をすすったり。
新しい審神者なんていらない・・・とさえ思っていた。
そんな日が1ヶ月ほど続いた頃・・・。
突然三日月宗近を筆頭とする三条派の者たちが、小さな赤子を連れて帰って来た。
赤子はどこか懐かしい匂いがした。ついこの間まで、ここにいたような人物と雰囲気がそっくりで、その人物の名前を口にしてしまいそうになる。

「この子は一体どうしたんだ?」

長曽祢虎鉄が三日月宗近に尋ねると、彼はにっこり笑って答えた。

「我らの新しい主よ」

宗近の言葉に、他の三条の面々も頷いた。
小さな赤子はケタケタと笑いながら、長曽祢に向かって手を伸ばしていた。まるで、再会を喜んでいるように・・・。
その日から、小さな赤子は前の主を失ったこの本丸を引き継ぐことになった。

赤子は刀剣男士たちに愛された。
あまり泣くこともなく、人見知りすることもなく、みんなに懐いた。特に、近侍である三日月にはひときわよく懐いた。前の主とどこか似ている・・・と、みんなそう思っていたが、口には出さなかった。
寒かった冬が過ぎ、春が来て、初夏の頃を迎えた。
宗近は赤子を抱きながら、加州が持って来たかざぐるまに息を吹きかけ回す。大きなかざぐるまが回るたび、赤子は喜んで声を上げた。そして三日月は小さく歌ってやる。

「・・・なぁ、美和よ。俺を愛してくれたこと、覚えてはおらんだろうなぁ。しかしだ。お前はまた、こうして再び生まれてきてくれた。美和が俺に会いたい一心で、再び生まれ変わってくれたと、そう思ってもよいか?」

優しく話しかけると、赤子は声を出さず、ただにこっと笑った。その表情が前の審神者そのもので、宗近はキュッと胸が苦しくなる。
ただただ前の審神者に会いたい一心で、宗近は彼女の魂を探した。再び人間に生まれ変わってくることを信じて。探して探して、やっと彼女の魂を見つけた。

「俺はずっとずっと美和そばにいてやろう。今度はこの手を離さんぞ。だから早く、大きくなっておくれ。」

いつの間にか眠ってしまった赤子を抱いたままゆっくり揺らし、宗近はまた小さく歌いだす。
緩やかな風に吹かれ、かざぐるまが回り始める。宗近と赤子の関係も、ゆっくりと回り始めていた。




No.147 /   三日月宗近 / Comment*0 // PageTop▲

2017.09.16  IC#67 <<20:37







式典を終えたルルーシュは焦っていた。皇帝が戻ってきたということは、人質に取られているナナリーが危ないということ。ナナリーを助けるため、ルルーシュは頭の中で様々な策を練っていた。
コーネリアを交渉の道具に使うか。もしくはロロとジェレミアを使うか・・・。どちらにせよ、皇帝には効かない。いっそのこと、ゼロがルルーシュだと明かしてしまうか?と考えたが、そうすれば黒の騎士団が先に崩壊するであろう。
様々な策を考えるが、どれもこれも使い物にはならなかった。

(くそっ。万が一ナナリーを助け出したとしても、ブリタニアにはリリィもいる!皇帝はリリィを溺愛していた。手を出すはずがない・・・とまでは言い切れない・・・っ!)

ルルーシュの思考は堂々巡りだった。だから後ろから聞こえてくるC.C.の声に無性に腹が立ち、つい大声を上げて、彼女の持っていた皿をはじき飛ばしてしまった。
皿は粉々に割れ、C.C.の指を切った。流れ出る血を見て我に返ったルルーシュは、慌てて彼女の手を掴んだ。
C.C.は少し微笑んでから言う。「中から痛いときよりも、全然平気」だと。むしろ寒い時は痛いほうが助かると言う。彼女の過去を思い出したルルーシュは体を震わせた。
C.C.はいつも一人で、いつも傷だらけであった。愛されたいと願ったC.C.。願いが叶い、そしてやがて騙されていたことに気づく。彼女はまた傷ついた・・・。

「お前は中から痛い時、どうしていたんだ?」
「友達・・・がいればよかったんですけど・・・。親とか兄弟とかと違って、友達ならあとからでも作れるし・・・。でも私にはそんな味方もいなくって・・・」
「味方・・・・?」
「あの、そう聞いたんですけど、違うんですか?」
「・・・いや、違わない。それが友達だ・・・。」

ルルーシュの中で一人の人物の顔が浮かび上がる。昔からの友達、枢木スザク・・・。
C.C.の怪我の処置をしたあと、彼はスザクへ電話をかける。相手はすぐに出た。懐かしい声は、少し厳しさを帯びていた。

「ニュース、知ってるだろ?トウキョウ疎開も危ないかな?」

不意に投げかけた質問に、スザクが冷たい声で返してくる。

「それは君が決めることだろう?ルルーシュ。君は・・・ゼロか?」

逆にスザクの質問に、ルルーシュの時間が一瞬止まる。ここで嘘をついても仕方なかった。ナナリーのため、ルルーシュは正直に答えた。

「そうだ。俺がゼロだっ!」
「・・・・・っ!ブリタニアの敵が、僕に何の用だ?」

一気にスザクの態度が激変する。それは仕方ない。ゼロはユーフェミアを殺した。たくさんの人間も殺した。でも、そうしてでも守りたいものがあったのだ。

「頼む。ナナリーを助けてくれ。皇帝は俺を押さえるために、ナナリーを人質にしている。だから俺は、隠れて動くしかなかった。それに万が一ナナリーを助けたとしても、今度はリリィが人質になるかもしれないんだ。頼むスザク。お前以外に頼める人間がいないんだ・・・」
「僕が君の頼みを引き受けると思うのか!?ルルーシュ、お前は身勝手だな・・・」
「分かっている!でももう頼めるのがお前しかいないんだっ・・・!頼むっ!ナナリーを・・・守ってください。」

ルルーシュの消えてしまいそうな声に、スザクは小さくため息をつく。電話口から「分かった」と聞こえてきた瞬間、ルルーシュは崩れ落ちてしまいそうになった。「ただし、条件がある」とスザクは言葉を続ける。

「ナナリーを守るというのなら、ナナリーがいるこのエリア11に君が一人で来るべきだ。場所は枢木神社。二人っきりで話をしよう。そして・・・リリィのことだが、やはり君はリリィを思い出したんだな。リリィのことは君が心配しなくても、僕自身の意思で彼女を守る。この身をかけて、一生!僕はリリィにそう誓ったんだ。もうリリィの隣に、君の居場所なんてない。だからエリア11に来て、リリィには会おうなんて思わないでくれ。」

きっぱりとそう告げるスザクの声を聞きながら、ルルーシュは動揺した。

(スザクの言っている意味は、どういう意味だ?全ては枢木神社で分かることなのか?)

二人の運命が再び絡み合おうとしていた。




ぼくは自分がだれかを憎んでいることを知っている。
(ローベルト・ヴァルザー)





No.146 /   IC / Comment*0 // PageTop▲

2017.09.16  IC#66 <<20:36






超合集国憲章批准式典会場では、批准式のための準備が行われている。
ディートハルトが映像のチェックをし、天子は内容を読み上げる練習をする。藤堂は化粧をされ、唸っていた。
ブリタニア国でもこの式典に対し、軍が動く。武器や兵士がキュウシュウ・チュウゴク・ホクリクを中心に次々配備されていく。
批准式は各国に放送されていた。もちろん、ブリタニア本国のみならず、エリア7でも・・・。
この中継をモルガン、ユーサー、そして新しくエリア7総督に就任したリリーナも見ていた。

『最後に、合集国憲章第17章、合集国憲章に批准した国家は固有の軍事力を永久に放棄する。その上で、各合衆国の完全保証についてはどの国家にも属さない戦闘集団、黒の騎士団と契約します!』
『契約、受諾した。我ら黒の騎士団に資金や人員を提供してもらう。その代わり、我らは全ての合衆国の盾となり、外的を制する剣となろう!』

つまり黒の騎士団は、合衆国の軍隊となった・・・ということだろう。トップの皇も、おそらくは黒の騎士団と深い結びつきがあると思ってもよい。
リリーナは黙って中継を見続けた。そして、皇からある提案がなされる。
日本の領土がブリタニア軍によって不当に占拠されている。そのため黒の騎士団の派遣を要請し、日本を取り戻したいのだと・・・。これに対し賛成多数で第1號は決議され、黒の騎士団は日本を解放するための戦いを始めることとなった。

「またあの国で、戦闘が始まるのかのぅ・・・」

ユーサーが悲しそうな声を上げた。日本とブリタニア。その二つの国は、なかなか交わることができない。今まではブリタニアが力で押さえ込んでいた分、今になって反発する者も多いだろう。

「歴史は繰り返す・・・か。それに我らエリア7も、ブリタニア軍として参加せねばなるまいとはな・・・。しかし、あの子たちは大丈夫だろうか?再びまた、あの地で戦うことになるかもしれないのであろう?」

二人の言葉を聞きながら、キュッと口を結ぶリリーナ。
本国で指揮をとっているのはシュナイゼル。彼はおそらく、この戦いを力でねじ伏せるはずだ。そのために、彼はきっとエリア7の技術力を求めてくるのではないかと彼女は予想している。

「大丈夫よ。アイツとの交渉の余地は必ずあるはずだわ・・・」

彼女の小さな呟きに、ユーサーもモルガンも意図が分からず、二人で顔を見合わせるだけだった。
一方その頃エリア11でも、この中継をシュナイゼルやナイト・オブ・ラウンズ、エンジェルズ・オブ・ロードであるリリィやライも見ていた。
テレビからはゼロの高らかな声が流れてくる。

「いいでしょう。超合集国決議第1號、進軍目標は・・・・日本!!!」

ゼロの細い指がはるか遠くにある日本の方向を指さす。その瞬間、二人は目を閉じて下を向いた。
この批准式が行われると聞いたときから、だいたいの予想はついていた。
この小さな国がまた戦場に変わるのかと、リリィは胸を痛める。でももう、8年前とは違っているのだ。たとえ歴史が繰り返したとしても、同じ過ちは繰り返さない。
リリィはスッと顔を上げた。ちらりと椅子に座るシュナイゼルを盗み見たあと、彼女は心に誓った。

(戦争になったとしても、フレイヤだけは使わせないわ、お兄様。)

テレビからはそのまま、人々の割れんばかりの歓声が聞こえてくる。その中に突然、聞き慣れた渋い声が交じった。

『ゼロよ!!!』

画面が突然切り替わり、ブリタニア皇帝が映し出された。彼の自身に満ちた顔を見た瞬間、ルルーシュとライは瞳を揺らす。あの空間に置き去りにしてきた。死んだと思っていた。だが実際は生きていたのだ。

「こっ・・・皇帝陛下が・・・」
「お戻りになられたか。」

この映像を見て、第2皇子であるシュナイゼルが小さく吐き捨て、リリィは驚いて叫ぶ。二人の声が重なった。

「偽りの劇場を気取られますか、父上・・」
「おっ・・・お父様っ!!!」

涙ぐんだリリィの声が聞こえた時、ライはちくりと胸が痛む。同時にドキドキと心臓が激しく鳴り、まともに彼女の顔が見れなかった。そして、皇帝の顔さえも・・・。皇帝を置き去りにした行為。それは皇帝を敵に回してしまったという証拠である。さらに、父親が大好きな彼女を裏切ってしまった行為でもあるため、後ろめたさを感じていた。

『ゼロよ。それでワシを出し抜いたつもりか。だが、それも悪くない。EUはすでに死に絶え、つまりキサマが作ったこざかしい憲章が、世界をブリタニアとそうでないものに色分けする。単純それ故に明解。この戦いを制した側がこの世界を手に入れるということ。いいだろう、ゼロ。挑んでくるがよい。全てを得るか、全てを失うか。世界とは元来、そういうものだ。オールハイル・ブリターーーーニア!!!』
『日本、万歳っ!日本、万歳!!』

力強く叫ぶ黒の騎士団たちは、本気で日本を取り戻しにくるはずだ。
ライは雄叫びを上げる彼らの声を聞きながら、無言で部屋を出て行く。その姿にリリィは少し不安を覚えた。
彼が浮かべていた表情はどこか余裕のないような感じであったから。リリィは彼の背中を追って廊下へ出て、声をかけた。

「あ・・・・ライ?」

彼は名前を呼ばれても何も答えず、決して立ち止まらなかった。広い背中が次第に遠ざかって行く。少しだけしょげながら部屋へ戻ってくると、スザクと視線が合う。

「ライ、どうしたの?」
「・・・さあ?分からないわ。でもなんだか余裕のない表情を浮かべていた気がする。」
「・・・ふぅーん。」

スザクは彼が出て行った入り口に視線を向ける。いつも余裕のありそうな表情を見せる彼なのに、珍しいことがあるものだ・・・と思う反面、スザクの勘が何かを告げているような気がしたのだった。



全世界がひとつの舞台、そして人間はみな役者にほかならぬ。
(シェイクスピア)




No.145 /   IC / Comment*0 // PageTop▲

2017.09.16  #IC63 <<18:14






「思い出したか?ライ・ルシフェル。お前の昔の記憶を・・・・。」

静かにそう言うC.C.に、ライは自嘲的に笑ってみせた。

「思い出したよ。僕は君と同じような存在であるU.U.と、コードを半分分け合った存在だった。僕はルルーシュと同じような力を得て、兄や父を殺した。暴走したギアスによって、母や妻、妹までも・・・・。アストリアを捨て、敵から逃げた僕は自分の子供であるロイを、大事に育ててくれるであろう老夫婦に託し、U.U.と一緒にあの場所へ向かった。今の名前で、神根島とよばれる場所。僕はそこで――――――」

U.U.は僕に言ったんだ。
君を殺すことはできない。だけど、僕と君とがひとつになることで、僕は君の願いを叶えられると。

『ライ。君は全てを忘れて、ゆっくり眠るといい。子供に戻って、再び新しい人生を歩むといい。ギアスの力は消えない。次の人生でもきっと、君はギアスに翻弄され、孤独になる。でも、次の人生では君を、誰かが支えてくれるはずだから。大丈夫。僕はね・・・・・・』


君の中で、生きつづけるよ。ずっと、一緒に。だから、安心して?


その言葉を聞きながら、ぼろぼろになった僕は、静かに目を閉じた。U.U.の言葉がまるで、ゆりかごに乗っているように心地よかった。
最後に覚えてるのは、暖かいぬくもりが僕の中に流れ込んでくることだけだった。

「そしてあなたは、眠った。記憶は全て消え、U.U.の力であなたの体は赤ん坊に戻った。神根島で赤ん坊の姿のままで眠っていたあなたは、時代を超え、現代で目覚めた。皮肉にも、ギアスと神根島の調査に来たブリタニアよって・・・。ライ・ルシフェル。お前の子供、ロイ・アストリアがあの後どうなったか聞きたいか?」

ライは黙ったままだった。何も言わないライを見て、C.C.が静かに話し出す。

「お前の子、ロイ・アストリアは、お前が眠ってからもすくすくと成長を続けた。ロイはお前に似て、強くて優しい青年に成長した。そんなロイを、子供のいない、とある小さな国の王が養子にと引き取った。年老いたその王の代わりに、ロイはその国の王となった。即位したロイは、ニーア・ド・ブリタニアと名乗るようになり、国は名前を変えた。神聖ブリタニア帝国。そう、ロイは初代ブリタニア皇帝。つまりお前は・・・・ブリタニア皇帝の祖先ということだ。」

静かに彼女の言葉を聞いてるライを見て、「驚かないのか?」と声をかけるC.C.。ライは笑って見せた。

「正直驚いてるよ。でも、ここまで来たらなんでもアリだな。死ねない体も、ブリタニア皇族の祖先だったことも。全てを思い出してから、僕の中で、僕じゃないもう一人の鼓動が聞こえるような気がする。きっとそれはU.U.。彼はずっと、僕と一緒に生きていた。そしてあの時彼と僕がひとつになったことで、僕はギアスのコード保持者になった。ブリタニア皇帝と同じ存在・・・・。」
「そうだとしても、お前はライ・ルシフェルだ。」

額縁の絵が飾られる空間に、アストリア皇帝だったころのライの肖像画浮かび上がる。その横には、ビデオ再生されているように、昔のライの出来事が流れていく。
この空間に住まうC.C.が言うように、自分が過去の人間だったとしても、今の彼自身はライ・アストリアではなく、ライ・ルシフェル。
ライ・アストリアの人生を捨て、ライ・ルシフェルの人生を歩みだした人間・・・。

「そうだね。僕は間違いなく、ライ・ルシフェルだ。全てを思い出し、僕自身の罪も理解した。僕がどんな存在なのかも・・・。ありがとう、C.C.。僕の記憶を呼び覚ましてくれて。」
「礼なら正しい時空のC.C.に言ってくれ。彼女は優しい。それゆえにお前をここに送り、ルルーシュをもどこかへ送った。きっと、ひと時でも何かから、彼を守ろうとしたんだと思う。」
「ルルーシュはどこへ?」

ライはC.C.に尋ねる。彼女はゆっくり、遠くを指差した。彼女の示す先に、空間の裂け目のようなものが小さく浮かんでいた。
「彼はおそらく、私の過去を見ている」とつぶやくC.C.に、ライは目を細める。

「君の過去は・・・・・」
「あまりいいものではない。私もコード保持者だ。それ相応の罪は背負ってる。」

C.C.はライに背を向けた。ライも彼女に背を向け、空間の裂け目へと歩いていく。
全てを思い出した自分をリリィは受け入れてくれるだろうか?
大丈夫だ。きっとリリィは全てを理解してくれる。だって僕たちは仲間で、兄弟なのだから。それがたとえ、偽りのものでも・・・・。
空間の裂け目に手を入れる。光が見えた。
ここと同じような空間にたたずむもう一人のC.C.と、ルルーシュの姿も。ライは思いっきり、空間の中に飛び込んだ。「ルルーシュ!」と、彼の名前を呼びながら。
こちらを向いた彼はきっと、C.C.の過去を知った後だろう。左目にギアスを宿したルルーシュも、ライが何かの答えを掴んだのだと、瞬時に分かった。右目だけにギアスを宿していたはずのライが、両目にギアスを宿していたから・・・・。



* * * 



「私を憎む人、優しくしてくれた人、全て時の流れに消えていった。果てることのない、時の流れの中に・・・。あぁ、これで終わる。私の長い旅が・・・。」

アーカーシャの剣の中で、C.C.がブリタニア皇帝に寄り添う。彼女は、やっと自分の命が永遠という名の呪いから解き放たれるのだと実感していた。
いろんな人と出会い、別れ、そして時代を重ねていく。もう、十分だ。十分生きた。あとは静かに眠りたい。全てを、終わらせたい。ゆっくりと目を閉じた瞬間、一人の少年の声が鋭く上がった。

「C.C.----------っ!!」

その声と同時に、蜃気楼とランスロット・クラブの姿が浮かび上がる。
この空間そのものが、直接思考に干渉するシステムだと気づいたとき、何かのシステムが2機を身動きの取れない状態へと誘う。羽交い絞めにされた蜃気楼とランスロット・クラブを見て、ブリタニア皇帝は笑った。

「すぐに終わる、ルルーシュよ。そこで見ておれ・・・。」

皇帝がC.C.の腕を掴んだ瞬間、2人を光が覆う。

「やめろ!そいつは俺の・・・・俺の・・・・。答えろC.C.!なぜ俺と代替わりして、死のうとしなかった!?俺に永遠の命という、地獄を押し付けることだってできたはずだ!?俺を哀れんだのかC.C.!そんな顔で死ぬな!」

最期くらい、笑って死ね!
俺が必ず笑わせてやる!だから・・・・・・・・っ!

最後の言葉に、ライとC.C.が同時に目を細めた。C.C.は皇帝を突き飛ばし、蜃気楼とランスロット・クラブを助ける。
「これ以上奪われてたまるか」とつぶやいたルルーシュが、アーカーシャの剣を攻撃する。神殿は崩れ、皇帝はルルーシュを睨んだ。

「なんたる愚かしさかーーーーーーーーーっ!!!」

(愚かしいのは、あなたのほうだ。ロイはきっと平和を願い、けがれのない国という意味をこめてこの国を神聖ブリタニアと名づけた。あなたはそんな初代皇帝の願いを考えていない。ねぇ、U.U.。この世界は、僕たちが生き続けるような価値のある世界じゃないよね?)

自分の胸に手を当てて、ライの操るランスロット・クラブはツインMVSを構える。神殿の柱を切り倒すその姿に、ブリタニア皇帝が吼えた。

「ライ・ルシフェル!!!ワシを裏切るかーーーーーーー!」

爆発するアーカーシャの剣の中で、ルルーシュが落下していくC.C.を捕まえる。そのままライとルルーシュ、C.C.は元の場所へと戻ってきていた。
ギアスのマークが刻まれた扉の前で、C.C.が目覚める。心配そうに彼女を見つめていたルルーシュとライを見て、C.C.は言った。

「あっ・・・・新しい、ご主人様たちでしょうか!?できるのは料理の下ごしらえ、掃除洗濯、裁縫、牛と羊の世話。文字は少しなら読めます。数は20までなら・・・・。死体の片付けもやってたので・・・」

そんな彼女の姿にルルーシュは言葉を失い、ライを見る。
記憶を失ったC.C.に、ライはかつての自分の姿を重ねるのだった・・・・・。




生へ帰りたまえ!神聖な真剣さをたずさえて行きたまえ!
神聖な真剣さこそ生を永遠になすものなれば。
(ゲーテ)





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